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「灼眼のシャナ」第4巻 感想 [ラノベ感想 灼眼のシャナ]

「灼眼のシャナ」第4巻の感想です。
例によって、ネタバレ感想は隠してあります。

灼眼のシャナ〈4〉 (電撃文庫) 灼眼のシャナ 第4巻
著:高橋弥七郎
画:いとうのいぢ
出版:アスキー・メディアワークス
ブランド:電撃文庫


存在の力を喰われ、その残り滓である「トーチ」でありながら、その身に紅世の王が作り出した秘宝を備える「ミステス」となった坂井悠二と、紅世の王に従うフレイムヘイズ・シャナのアクションラブコメ第4巻です。

3巻で登場した、愛染兄妹の完結編となります。
また、シャナにとっては“紅世の徒”よりも脅威である吉田一美と、正式に戦いの火蓋が切って落とされた巻にもなります。

3巻ではシャナ達と愛染兄妹の直接対決はありませんでいたが、この巻ではバリバリに戦っています。
“贄殿紗那(にえとののしゃな)”を子供の欲望で欲しがる“愛染自”ソラトに対し、母のように、恋人のように、全てを満たしてあげようとする“愛染他”ティリエルは、シャナ達にとって全く相容れることが出来ない存在です。
また、何があってもソラトへの無償の愛を注ぐティリエルに対して、シャナは嫌悪感を抱いたこともあり、全面対決へと移ります。
火力の上では勝るシャナ達ですが、「揺りかごの園(クレイドル・ガーデン)」という、ティリエルが誇る自在法により、善戦むなしく囚われ、“贄殿紗那”を奪われてしまうシャナ。

また、“弔辞の読み手”マージョリー・ドーと“蹂躙の爪牙”マルコシアスは、愛染兄妹の護衛である“千変”シュドナイと戦いますが、シャナ達に負けて以来、燃えるものを失ったマージョリー姐さんは戦いに身が入らず、逃げをうってしまいます。

シャナの窮地はマージョリー姐さん達と合流した悠二が「揺りかごの園」を打ち破ることで、そしてマージョリー姐さんの不調は、子分である佐藤と田中の存在が、そしてそれを利用したマルコシアスの計略によって回復します。

最後はティリエルの意外だけどある意味納得の行動が、戦いとは別の形でシャナに大きな楔のようなものを打ち込んだように思えました。

最後に待ち構えていた一美との戦いも、逃げずにお互いを認め合いました。
気持ちの趨勢としては、まだ少しだけ一美のほうが先んじているようですが、これできちんと、スタートラインに立ったといえるのでしょう。

愛染兄妹編は終了しましたが、まだまだ色々な伏線が残されました。
新たな敵も登場してますし、次回以降が楽しみです。



では、ネタバレ感想です。

ティリエルの最期は、意外でありそれでいて非常に納得がいくものでした。
自分の命を顧みず、徹頭徹尾ソラトのことを考える。
自らの再生を投げ打っても、ソラトを守る。

この、一途にして哀しいほどの愛には、心を打たれるとともに悲しみと怖さを抱きました。
ソラトが全くといっていいほど、ティリエルのことを想っていなかったように私には映ったのも、このように感じさせたのかもしれません。

マージョリー姐さんも、佐藤と田中のことを「可愛い子分」ときちんと認めましたね。
マルコシアスの計略とはいえ、2人が死んでしまったと勘違いしたときの姐さんの言葉、行動、共になかなか心に染み入るものがありました。

「………今度のは、壊したいものじゃない。守りたいものだったのに」

生きているとわかったあとの姐さんの行動も、なかなかグッときました。

これからの戦いの中、シャナと姐さんの協力体制は続きそうです。
本当に楽しみです。

そして、一美です。
一美は力強く前に踏み出しました。
シャナに対して、悠二に対する気持ちをきちんと宣言し、そして本当の意味でシャナから「最強の敵」認定を受けたと言えるでしょう。
悠二を中心に置いた、そして池もからんだ四角関係はこれから見ものですね。

池については、少し残念です。
3巻での引きについて、全く触れずに物語が終了してしまいました。
次巻以降でのフォローが欲しいですね。

最後に、逃げ延びたシュドナイが“盟主”と呼ぶ組織、そしてその一員として、ソラト達の口からも少しだけ名前が出ていた、“頂の座(くら)”ヘカテーが登場し、なにやらきな臭いことを口にしながら、物語に一旦幕が下ろされます。
早く続きが読みたくて仕方がありません。
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